ミント精油の使い方とおすすめのブレンド精油を紹介【暑さ対策から虫除けまで万能】
蒸し暑い夏に目にする機会が増えるのがミントですよね。お菓子の味から歯磨き粉のフレーバー、夏の暑さ対策グッズの日用品まで、いろいろなものや場所で使われている香りです。
この季節になると、ミントやハッカの爽やかな香りで夏の暑さを和らげたい、ミントの香りをもっと楽しみたいと思えますよね。
実はミントの香りは、夏を爽やかに過ごさせてくれる以外にも虫除け、消臭効果、頭痛や吐き気などの体の不調にも役立つ万能選手なんです。
この記事では
- ミントの種類(スペアミント・ペパーミント・ハッカ)と違い
- 日常生活でのミント精油の使い方
- ミントの香りをもっと深く楽しめるミント系ブレンド精油
について解説します。
この夏の機会に、ミントの香りで癒されながら、いろいろな良い効果を試してみてくさだい。
ミントの魅力と効果
夏になるとミント味のお菓子が登場したり、冷却スプレーの香りづけに使われたり、清涼感のある香りが蒸し暑い夏を快適に過ごすのに欠かせません。
ミントは、シソ科ハッカ属の総称で、世界中で数多くの品種が栽培されています。
ミントは数千年前より健康目的で使われていて、古代ギリシャでは、スペアミントを香料や浴室のハーブ、強壮剤として愛用していました。
日本で精油としてよく見かける品種は、スペアミント、ペパーミント、ハッカの3種類です。
ミントのクールダウン効果は科学的にも実証されていて、香りを嗅ぐだけでも体感温度を下げ、不快感を軽減することがわかっています。(*1)
そのほかにもミントの香りが集中力に好影響を与える(*2)、ミント精油の局所への塗布が緊張性頭痛に有益であることなどといった研究報告もされています。
ミントは、清涼感を与えるだけでなく、集中力の維持、ストレス軽減といった精神機能の改善、頭痛・筋肉痛、関節痛を和らげる、風邪や消化器系の不調の緩和に良いとされていて、意外にも万能な植物なのです。
ミントの精油の種類
アロマオイルとしてよく見かけるのはスペアミント、ペパーミント、ハッカの3種類でしょう。それぞれ品種が違うので、香りや使用されるシーンも違っています。
スペアミント
- 学名:mentha spicata
- 抽出部位:花の咲いた先端部分、葉
- 主な成分:カルボン、リモネン
- 香り:甘さのある歯磨き粉のような香り
ペパーミントが鼻から抜けていくような香りに対して、スペアミントは甘く、鼻に残るような存在感の強い香りです。
成分を見ても分かる通り、ペパーミントとは違いスッキリ感を感じさせるメントールはスペアミントには少量のみで、カルボンという成分が甘さをもたらしています。
清涼感がありながらも、甘さも強く感じられるので、ガムや歯磨き粉、キャンディーのフレーバーにも多く使われています。スペアミントはどちらかというとスイーツや甘い飲み物に入れられることが多いです。
甘さがくどく感じられる時はレモンなどの鋭いシトラス系やユーカリなどのカラッとしたハーバル系の精油と組み合わせると、甘ったるさが中和されます。
頭をスッキリ覚醒させたい時はもちろん、二日酔いや車酔いなどのトラブルにも役立ちます。
ペパーミント
- 学名:menthe piperita
- 抽出部位:全草
- 主な成分:メントール、メントン
- 香り:鼻に抜けるようなクリアな香り
スペアミントと比べるとペパーミントの方がクリアでカラッとした爽快な香りです。
ペパーミントの香りの方が好きな人が多いと思います。
このクリーンで爽やかな香りは、メントールという成分がもたらしています。
スペアミントと同じく料理や飲み物に使われるほか、虫除けや医薬品にも使われていて、特に日本人はペパーミントが好まれています。
頭がぼーっとした時に嗅ぐとスッキリとクリアにしてくれます。また、香りは涼やかな印象があり、嗅ぐことで体感温度をさげ夏の暑さを和らげてくれます。
ハッカ
- 学名:menthe avensis
- 抽出部位:全草
- 主な成分:メントール
- 香り:甘みのない鋭く爽快感が強い香り
ハッカといえば北海道土産で有名ですよね。
ペパーミントの別名は「セイヨウハッカ」と言われるのに対し、日本で馴染み深いハッカは別名「ニホンハッカ」「和ハッカ」と呼ばれ、日本原産のミントの一種です。
ペパーミントと嗅ぎ比べると香りの違いがはっきりとあります。ペパーミントは清涼感の中にも甘みを感じられるのに対し、ハッカはよりシャープで風が吹き抜けるような爽快感があります。
なぜこんなにも爽快感が強い香りなのかというとメントールの含有量の違いがあります。
ペパーミント・・・30〜50%
ハッカ・・・60〜85%
メントールの多さはハッカが段違いに多いことがわかりますね!
つまり、爽快感や清涼感を求めたいならメントールの含有量を確認すれば良いということです。
ハッカ精油とハッカ油は違うのか?
ハッカ油とはハッカ精油を冷却し、結晶化した一部のメントール成分を取り除いたオイルです。
メントールが少ないのはハッカ油で、ハッカ精油とは香りの印象も少し違います。
濃縮された植物のオイルということは変わりないので、基本的にはハッカ油も精油と同じような使い方が良いでしょう。
ミント精油の使い方・使い道
ミントの爽やかな香りは涼しさを感じさせてくれるだけではありません。ミントは使い所が幅広い精油なので一本は持っておきたいマスト精油です。
部屋中に香りを広げて
ディフューザーを使ったりティッシュに垂らしたりして香りを広げることで、部屋の空気をカラッとさわやかな雰囲気に変えてくれます。
気分転換だけでなく、ぼーっと集中力がなくなってきた時や眠気がある時に使うと、眠気を吹き飛ばし一気に頭をスッキリさせてくれます。作業中や勉強中に活躍する精油です。
また、ごく少量の使用は鎮静効果があり、ラベンダーやカモミールなどの香りで寝付けない時に1滴のミントを加えたことで眠れるようになったという報告もあります。
お風呂で使ってひんやり効果
夏場の暑さ対策として、バスタブの中に入れると、出た後は体がひんやりと冷たさを感じることができます。ただし、入れすぎると寒くなりすぎるので使用量には注意!
また、シャンプーやボディソープに混ぜると風呂上がりの爽快感が桁違いです。油脂成分を分解する働きもあるので、洗い上がりがよりさっぱりとします。
ハンカチやマスクに
むせかえるような暑さの夏の通勤・通学はとても辛いですよね。
ハンカチやマスクにミント精油を使い、香りを嗅ぐだけでも、体感温度が下がり暑さ対策になります。
特におすすめは満員電車に乗る時に使うこと。夏の満員電車の不快感が段違いです。
そのほか、花粉の季節や風邪の時の鼻詰まり・喉の不快感の軽減にも活躍します。
トイレや玄関、車内などの消臭に
精油をストーンやリードディフューザーで香りを広げる方法もありますが、アロマスプレーを作ってスプレーすれば、より早く・広く消臭効果が得られます。スプレーはそのままファブリックミストとしても使える万能アイテムです。
ボディスプレーに
ボディスプレーとして使えば、暑さ対策や運動後のクールダウンとしても使えます。
アウトドアやキッチン周りの虫除けに
ペパーミントやハッカに多く含まれる成分、メントールはゴキブリやハエ、蚊などの昆虫に対して強い忌避効果があります。
台所周りやゴミ箱などに精油を振りかけることでゴキブリ避け、ボディスプレーとしておでかけやアウトドアレジャーのアブ・ハエ・蚊よけにも使えます。
自分は台所周りの掃除後にハッカ精油をちょこっと垂らしておくようになってから、ゴキブリ遭遇率が格段に減りました。
二日酔いや車酔い対策に
ミントは胃腸の不調にもおすすめな香りです。
気分が悪いとき、ムカムカしているときに使えば、スッキリさせてくれます。二日酔いや乗り物酔いに有効です。
ミント系ブレンド精油のおすすめ
生活の木:ミント&レモンシリーズ
ミント&レモンシリーズは夏限定のシリーズです。ブレンド精油の展開は、「パステルグリーンミント」と「パステルレモンイエロー」の2種類です。
パステルグリーンミントはミント主体の香りで、清涼感・涼やかさを求めたいならこちらでしょう。
パステルレモンイエローはグレープフルーツやレモンなどの柑橘の香りとミントが調和していて、元気さを感じられる香りです。フレグランス的に使うならこちらの方が向いているように感じますが、どちらも夏にはマッチするので、好みで選んで良いでしょう。
ブレンド精油以外にも、ファブリックミストやマスクスプレー、ボディシートの商品展開があります。
こちらも毎年大人気商品ですぐに完売してしまうほどなので、ご購入はお早めに。
マークス&ウェブ:ウェイクアップ
石鹸・化粧品で有名な松山油脂の新ブランドであるMARKS&WEB(マークス&ウェブ)はボディケアやヘアケア用品などの日用品をとり扱っています。
自然な植物の香りを楽しみながら幅広く使える石鹸やボディソープ、シャンプーなどの商品展開が魅力的で、どの香りも本当に素晴らしい仕上がりです。
マークス&ウェブのミント系ブレンド精油は「ウェイクアップ」で、ローズマリーとペパーミントの香りです。
どちらも人気の高い香り、そしてハーブの香りなのでもちろん親和性はバツグン。爽やかさの中にも気持ちを切り替え、鎮めてくれるようなボタニカルな香りです。
そして、精油ではないのですが、本当に本当に良い香りなので色んな人にぜひ知ってもらいたい!のがのが季節限定商品のペパーミント&ベルガモットシリーズ。
石鹸やボディソープなどのバス用品のほか、ハンドクリームやボディ&フェイスシートの展開があります。
ミントとベルガモットのユニセックスで都会的な香りをいろいろなアイテムで楽しめて、自分の品格も上がったような気分になれて、最高に贅沢な時間が送れます。
フレーバーライフ社:hana to mi kurobo
日本で初の精油の通販を始めた老舗、フレーバーライフ社からは和洋折衷のブレンド精油hana to miシリーズのkuroboをおすすめします。
hana to miシリーズはどれも自然な日本に馴染み深い香りで心穏やかにしてくれるようなものが多いです。
kuroboは北海道産のハッカとユーカリをメインに組み合わせた「冬をイメージしたクリーンな香り」で、運動後や気持ちが不安定な時などの呼吸を整えたい時にはぴったりの香りです。
また、ハッカは虫除け効果も強いので、アウトドアにも活躍するブレンドです。
ロールオンアロマのバージョンもあるので場所を選ばず外出先でも香りをカジュアルに楽しめるのが嬉しいところ。
【hana to mi】エッセンシャルオイル kuroboプリマヴェーラ:クリーンエア
ドイツのオーガニック精油メーカーのプリマヴェーラは精油の鮮度にこだわりを持っています。
クリーンエアはペパーミント、レモン、マートルのブレンド精油で、生活の木のパステルレモンイエローと同じくミントとレモンが入っていますが、実はマートルがいい仕事してるんです!
ミントとレモンのシャープさを柔らかなマートルがマスキングしてくれていて、フレッシュながらも鋭すぎない香りに仕上がっています。強すぎる香りやシャープな香りが苦手な人におすすめ。
こちらもルームスプレーやロールオンの展開もあるのでよりサクッと手軽に香りを楽しみたい人はそちらが良いでしょう。
ニールズヤード:クリアフレッシュ
イギリスの代表的な精油・コスメメーカーのニールズヤードは日本でも知名度は高いのではないでしょうか。
クリアフレッシュはミントとレモンという王道の香りのほか、セージ、パルマローザといったハーブの他、ブラックペッパーもブレンドされていて、シトラスグリーンを感じる爽やかさがあります。
スパイスの辛味とわずかな甘さのあるグリーン調が混じり、深呼吸するのがやめられなくなる複雑で奥深い香りが楽しめます。
まとめ
夏の暑さを乗り越える他にも、虫除け、消臭効果、吐き気やムカつき、頭がスッキリしないような不調にも役立つ万能な香りがミントです。
ミント系の精油は安いのに日常生活の色んなシーンで大活躍するので、持っておいて絶対損はないです!
この機会にぜひ、ミントの香りで癒されながら、いろいろな良い効果を実感してみてください。
*1出典:「香りが感覚/使用感触の判断に及ぼす効果」(株)資生堂製品開発センター香料開発室 庄司 健 ※発表当時)フレグランスジャーナル社 AROMA RESEARCH No.23(2005)、「建築空間と香り―持続可能な社会を目指して~天然成分のアロマを活用した執務環境の快適性に関する研究~」東京大学生産技術研究所 馬郡文平 ※発表当時)フレグランスジャーナル社 AROMA RESEARCH No.45(2011)
*2「小学生の計算力と気分に与える精油の影響.熊谷千津、永山香織.アロマテラピー学雑誌、Vol.16, No.1, 7-14, 2015、Mark Moss et al.(2022)Aroma of the essential oil of peppermint reduces aggressive driving behaviour in healthy adults. Human Psychopharmacology :Clinical and Experimental,38(2), e2865.